回転パノラマ撮影法は1枚のフィルムに顎骨全体が展開写真として得られ、一般の歯科診療に広く普及している。しかし、断層写真であるために、画像にボケや歪みがあり、また、頚椎などの障害陰影が前歯部とかさなり、診断に使用できない場合があった。 そこで、本研究では新しいパノラマ画像再構成理論による、画像処理ソフトの開発をC++で行い、理論的にまったくボケ、歪み、障害陰影のないパノラマ像の再構成を行った。 このソフトでは、顎骨の部分投影データを一旦コンピュータに取り込み、その投影データにボケや障害陰影ほ補正するフィルタ関数を作用させた後、逆投影することにより、パノラマ像を形成している。ここで、投影データに最適化されたフィルターを作用させて投影することにより、ボケ、歪み、障害陰影のないパノラマが形成できた。計算には1GBのメモリー領域を有する画像処理装置(Intel Pentium550MHz)を使用した。 今後、さらに計算速度を上げ臨床応用を試みたい。
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