研究概要 |
平成12年度は提出した研究実施計画に基き、3次元形状計測によるセラミックインレーの定量分析法の確立と、定量分析の結果を反映した辺縁劣化試験を以下のような方法で実施した。 1)辺縁劣化定量分析法の精度の検証:規格人工歯の咬合面と人工歯を精密印象して作製したレプリカ模型の咬合面を、高精度形状計測変位計を用いてスキャンし、3次元形状計測システムにて歯軸方向における咬合面の断面形状をグラフ化した。そして、人工歯とレプリカ模型の断面図を重ね合わせて、事前に設定しておいた計測点の計測値を比較することによって、本測定法の測定誤差を算出した。その結果、本計測法の測定誤差は30.5μmであることがわかった。 2)辺縁劣化の定量分析:セラミックインレー修復を行った小臼歯12本について、3次元形状計測システムを用いて辺縁部を計測し、歯軸方向における辺縁の断面形状をグラフ化した。続いて、辺縁断面図の経時的な重ね合わせを行うことにより、劣化量を面積として表し、画像解析ソフトウエアを用いて辺縁劣化量を算出した。その結果、小臼歯の8年間の平均劣化量は、機能咬頭側で465×10^2μm^2、非機能咬頭側では207×10^2μm^2であり、両者の劣化量には有意差が認められた。 3)辺縁劣化試験の実施:繰返し低荷重負荷試験器を用いて、セラミックインレー修復辺縁に繰返し衝撃負荷を加えて、口腔環境を反映した辺縁劣化を再現した。 以上のように,本年度の研究より,3次元形状計測によるセラミックインレーの定量分析法を確立し、口腔での経時的辺縁劣化量を測定した。さらに、口腔における辺縁劣化を反映した辺縁劣化試験を確立した。
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