研究概要 |
平成12年度の研究状況 歯科用CAD/CAM装置は歯列模型について形状計測を高精度かつ短時間に処理する必要がある.精度を維持し,短時間での処理を可能とすることを目的として,以下の研究を行った. 方法:円筒形でショルダータイプのマージンを与えた金属製支台歯形態のステンレス製金型を作製し,本金型を基に形状読み取りの基礎的実験を行った.臨床応用時と光反射特性を同じにするために,付加重合型シリコーン印象材にて精密印象採得し,ニューフジロックブラウン(GC)にて支台歯歯型を作製した.形状計測は東京歯科大学に設置されている光学式汎用形状計測装置を用い50,100マイクロメータの測定精度にて模型を計測,三次元点群データとして記録し,各点群を結ぶメッシュを作成した. 今回は金型,模型のマイクロメータでの計測値と光学式三次元座標入力装置にて得られた三次元点群データとを比較検討した.三次元計測では傾斜の大きな軸面部,また鋭角な隅角部の計測精度は劣り,形状計測装置の計測ステップ,また照射,受光素子を配した光学系の配置にも影響を受けていると思われた.今回用いた金型はショルダータイプのマージンのため,Z軸における読み取り誤差は少ないものの,マージン部分では不連続曲線になり,その部の精度を追求することが必要であると考えられた.H-netを用いた曲線補間においても,精度の向上があまり認められず,パラメータの変更を行い,解析を行う必要性が示唆された.
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