研究概要 |
現在までに申請者は、Porphyromonas endodontalis産生のLipopolysaccharideに対して活性酸素種を暴露した場合についても検索した。 発生したフリーラジカルの定性、定量はESR spectrophotometryにて5,5-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide(DMPO)をtrapping剤に用いたspin trapping techniqueで行った。活性酸素種の暴露条件は既知の各種活性酸素種として3種(O_2・ ̄:superoxide、・OH:hydroxyl radical、C10^-:hypochlorous anion)と各々の消去剤として報告されている(superoxide dismutase、dimethyl sulfoxide、Methionine)の組み合わせを用いた。 その結果、発生したフリーラジカルの量的、質的変動はLPSとの相関が推測されるという興味深い結果を得ている。また、これまでにPBN(N-t-Butyl-α-phenylnitrone)はESR spin trapping techniqueにおいて活性酸素種を測定するための捕捉剤として用いられるという報告がなされてきたが、このことはは活性酸素を消去しているとも言える。 そこでLPSに作用させた各種活性酸素の消去剤としてPBNの作用も検索を行った。しかしながら、SDS-PAGE上において電気泳動を行い、その捕捉分子量、構造上の変化、及び可視光線分光計を用いた各種活性酸素種によるLPSの構造的な変化の検索については満足な結果が得られていない。 今後、ヒト歯髄由来の線維芽細胞を用いたvitronectinの産生を指標に活性酸素およびLPSによる炎症反応を減弱させる可能性を検索する。 なお,研究実施計画にある歯根膜細胞の培養は歯髄細胞の培養の誤りで,研究は培養歯髄細胞を用いて行っている。
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