研究課題/領域番号 |
11671909
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
池見 宅司 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80102565)
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研究分担者 |
山本 憲廣 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90301556)
神谷 直孝 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (00256893)
河野 善治 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (40147707)
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キーワード | 牛歯エナメル質 / 耐酸性 / 色彩色差計 / Y値 / 炭酸ガスレーザー / スーパーパルス / フッ化ナトリウム / 乳酸 |
研究概要 |
1. 色彩色差計のΔY値(光反射増加量)を利用したエナメル質耐酸性評価の確立 エナメル質表層が獲得した耐酸性の程度を、簡便かつ迅速に評価する方法を確立するために以下の実験を行った。牛歯エナメル質をNo.2,000にて最終研磨後、直経5mmのウインドウを作成したものを試料とし、Y値(Y1)をまず測定する。試料に0.01〜4.0Mの各濃度のリン酸あるいは乳酸を作用させて再びY値(Y2)を測定し、ΔY=Y2-Y1を算出する。作用させた溶液を回収し、溶液中のカルシウム量を定量して、ΔYとカルシウム量の相関を求め、リン酸では0.05M、乳酸では1.0Mの濃度で60秒あるいは90秒間作用させることで、それぞれr=0.881(90sec)、r=0.966(90sec)の高い相関が得られた。 2.炭酸ガスレーザー照射ならびにフッ化物処理後のエナメル質表層の耐酸性 1の実験方法を基にして、エナメル質表面に炭酸ガスレーザー照射、1000ppmF(NaF)塗布、さらに両者を併用した試料に1.0M乳酸を60秒間作用させて耐酸性を測定した。レーザーの照射条件はスーパーパルスモードとし、出力7W照射時間は3秒で行った。その際の照射エネルギー密度はパワーメーター(NOVA OPHIR)で測定し、計算値で20.6J/cm2であった。その結果、本実験条件のレーザー照射だけで耐酸性を獲得するまでにはいたらなかった。フッ素塗布では耐酸性が向上しており、フッ素の効果が本評価法でも得られることが判明した。レーザー照射後フッ素塗布することにより、さらに耐酸性が向上することが判明した。
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