研究課題/領域番号 |
11671909
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
池見 宅司 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80102565)
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研究分担者 |
神谷 直孝 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (00256893)
河野 善治 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (40147707)
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キーワード | 炭酸ガスレーザー / フッ化ナトリウム / 歯質耐酸性 / 色彩色差計 / 明度 / コンタクトマイクロラジオグラム / 非破壊的方法 / 自由電子レーザー |
研究概要 |
1.歯のエナメル質耐酸性を向上させる方法を検討し、炭酸ガスレーザー照射後にフッ化物を作用させることにより、その目的を達成できることが平成12年度までの研究により確認された。一方、最近の審美的歯科治療に対する患者の要望から、生活歯漂白が一般臨床でも行われるようになり、漂白直後がフッ化物を歯質に取り込ませる好機と考えて実験を行った。生活歯漂白後のエナメル質について、色彩色差計のY値の変化を耐酸性の指標として実験を行った結果、漂白後のエナメル質耐酸性は著しく低下しており、酸の影響を受けやすいことが判明した。しかし、フッ化物を作用させることで耐酸性が健全歯質と同程度まで回復することも示唆された。そこで、更にエナメル質の耐酸性向上を目指し、炭酸ガスレーザーとの併用を試みた。その結果、生活歯漂白後、フッ化物を作用して炭酸ガスレーザー照射を行うと、単にフッ化物を作用した健全歯よりも耐酸性が向上していることが色彩色差計、SEM、コンタクトマイクロラジオグラムの観察にて判明した。本実験結果は、単に漂白後の処置方針を示したものだけでなく、臼歯部小窩裂溝等の耐酸性獲得法としても応用可能な方法であり、今後のう蝕予防法の一助として大いに貢献するものと考えられる。 2.歯の硬組織に応用されるレーザーの目的としては、う蝕除去や窩洞形成を目的とした破壊的方法と歯質の耐酸性向上等を目的とした非破壊的方法が考えられ、我々はこれまで非破壊的方法として炭酸ガスレーザーを使用してきた。その際、歯質の構造に着色や亀裂などの不快事項を生じさせないスーパーパルスモードで実験を行ってきた。しかし、本照射方法でも照射出力や照射時間、一点照射さらに被照射体の条件によっては、不快事項が惹起される可能性がある。そこで、波長の違いと歯質の状態で、どのような変化が生じるかについて、赤外自由電子レーザーを用いて検討した。波長は10.6、9.4、8.5μmで実験を行い、被照射体は健全エナメル質と象牙質、脱灰エナメル質と象牙質について調べ、8.5μmの波長が全ての被照射体の条件に対して比較的安全であることが示唆された。
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