研究概要 |
小臼歯隣接面初期齲蝕を想定し,ヒト上下顎小臼歯にトンネル窩洞を#1557,小球形ポイントのタービンと,仕上げを,#2ラウンドバーの低速で形成し、咬合面はダイヤモンドポイントF215でベベルを付与した.5級コンポジットレジン修復で辺縁漏洩が見られなかったワンオールと,グラスアイオノマーセメント:フジIILCを充填した。充填方法は,(1)トンネルを含む1次充填のワンオールと咬合面のベニアのワンオール(2)トンネルを含む1次充填のグラスアイオノマーセメントと咬合面のベニアであるワンオール(3)コントロールのワンオール一回充填である。Super Matによる隔壁を使用し,充填条件は各メーカーの指示に従って充填した。生食水中に1日浸漬後スーパースナップ紫で研磨し,4〜60度,各1分のサーマルサイクリング2000回後,メルコックス・ローダミン法による辺縁漏洩試験を行った。再度,エポキシレジンで包埋後,硝酸で脱灰,試料を取り出し,観察した。 結果は次ぎの通りであった. 1.トンネルを含むレジンの1次充填と咬合面の積層充填が,1回充填法より漏洩が少なかった 2.トンネルを含むグラスアイオノマーセメントの1次充填と咬合面のレジンベニアの積層充填は漏洩が少なく,見られてもトンネル部の歯頚部に限られた。 3.レジン同士の積層は,トンネルを含むグラスアイオノマーセメントの1次充填と咬合面のレジンベニアの積層充填と同様の成績であったが,トンネル部歯頚部と隣接面歯頚部にまで漏洩していた。
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