研究概要 |
4年保存実習生98人に,齲蝕が小臼歯近心隣接面接触点下に存在すると仮定し,接触点と歯頚部の1/3:接触点より約0.7mmに,#440ポイントで,エナメル質を削除し、次いで#330バーのネックまで掘り込ませ,咬合面は隣接面と同様に#440ポイントにてエナメル質を削除すると共に近心三角溝にベベルを付与し,#1557バーにより歯軸と,30〜45度の角度で歯頚部方向に形成し,先に形成した窩洞と連続させた後,低速ラウンドバー#1,2で,この部の感染象牙質を想定し切削,窩洞を完成させた。修復操作は,隔壁を施しう光重合型グラスアイオノマーセメントを象牙質部分に充填,続いて,エナメル質のみをセルフエッチングプライマー塗布,光重合コンポジットレジンを充填,いわゆるサンドイッチテクニックによるトンネル窩洞を修復させた。全作品を実体顕微鏡下で隣接面の形成点と充填状態を観察後,窩洞外をネイルエナメルで封鎖し,4℃〜60℃の2000回のサーマルサイクル後,メルコックス・ローダミン法による辺縁漏洩試験を行い,観寮したところ 1.辺縁隆線で破折した者は98名中2名であり,健全歯を使用しているとはいえ,乾燥歯を使用していることを考慮すると,トンネル窩洞は有効なものである。 2.隣接面の形成点の多くは接触点近くにあり,接触点よりも歯頚部寄りで,要求した点と接触点の間にあった。要求した点より歯頚部に寄っているものは少なく,また頬側によっているものも少なかった。咬合面よりアクセスがし易いためか,歯冠中央に形成したものも見られた。 3.隣接面の充填状態がオーバーしているもの23例,アンダー18例,ジャスト47例であった。 4.隣接面の充填部に漏洩が見られなかったのはわずか3例であった。
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