研究課題/領域番号 |
11671919
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 国彦 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20142739)
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研究分担者 |
疋田 一洋 北海道医療大学, 医療科学センター・医科歯科クリニック, 講師 (20238281)
会田 英紀 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10301011)
依本 卓見 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60292033)
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キーワード | 接着 / 支台歯形態 / 有限要素法 |
研究概要 |
歯冠補綴物の保持を軸面形態を中心とした嵌合効力にたよらず、主体を接着に求めた実験的支台歯形態の臨床応用を検討するために以下の実験を行った。 上顎小臼歯の3次元モデルを作成し、以下に示す軸面による保持形態をもたない3種類の支台歯形態と3種類の歯冠修復材(陶材、コンポジットレジン、Type IV金合金)の組み合わせについて3次元有限要素法による応力解析を行った。荷重は頬側咬頭の内斜面中央部に500N負荷した。 支台歯形態1:咬合面を1.5mmの厚さで削除 支台歯形態2:中心溝から2mmの位置で歯軸に垂直に歯冠を削除 支台歯形態3:中心溝から4mmの位置で歯軸に垂直に歯冠を削除 支台歯形態1ではもっとも弾性があるコンポジットレジンにおいて、荷重点直下に接着性レジンセメントの圧縮強さの約半分に相当する大きな応力集中が認められ、弾性が低い陶材と金合金の場合は応力の分散が認められた。 支台歯形態2においては1と比較して荷重点直下の応力は小さくなり、舌側の辺縁付近に引っ張り応力が現れたが、どの応力も接着性レジンセメントの接着強さを十分に下回るものであった。 支台歯形態3においては弾性の大きいコンポジットレジンにおいて応力緩和がもっともみられ、辺縁部における応力値は他の材料と比較しても低い値であった。 以上の結果から使用する材料の機械的性質によって支台歯形態を考慮する必要性と、材料の組み合わせによって応力の分散が図られることが示唆された。設定した支台歯形態はいずれも臨床応用が可能と判断されたが、今後、接着力の経時的劣化などについて判定基準をさらに検討する必要があると思われる。
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