研究課題/領域番号 |
11671922
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
富塚 健 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80251297)
|
研究分担者 |
須佐美 隆史 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80179184)
山下 靖雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70014157)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | デンタルインプラント / セメント質 / 歯周靭帯(歯根膜) / 歯内骨内インプラント |
研究概要 |
本研究は生体親和性に極めて優れるハイドロキシアパタイトの歯内骨内インプラントへの応用に関する基礎実験であるが最終的には歯周靭帯(歯根膜)を有するデンタルインプラントを開発することを目標としている。 そのためのまず手始めとして動物実験でインプラントを元来の歯根より突出させた状態を設定し、歯根外部のインプラントの表面ならびに周囲について病理組織学的に検討した。まず当該歯を抜歯し口腔外で根尖よりインプラント挿入のための窩を形成した。用いたインプラントはハイドロキシアパタイトの緻密体で長さ10mm、最大直径が2mm、テーパーが1/20であった。インプラント挿入後直ちに歯を再植し、1カ月間隣接歯と固定した。5カ月後、歯を周囲の組織とともに摘出し、10%ホルマリンにて固定後樹脂包埋した。切片は所定の染色を施した後、光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察を行った。 その結果、元来の歯根が周囲の骨と骨性癒着している部分は見られなかった。また、歯根外部のインプラント表面には歯根セメント質から連続する新生硬組織の形成が認められた。さらに歯根外部のインプラント周囲の線維性結合組織ではインプラント表面の新生硬組織と周囲の骨とを連絡する線維束が確認された。これらの新しい組織は病理組織学的観察により、天然歯のセメント質、歯根膜に極めて類似していることが理解された。本実験から得られた所見はある条件の下ではハイドロキシアパタイトの周囲に歯周組織が分化する可能性があることを示しており、本素材を歯内骨内インプラントに用いることにより真に歯根を延長させることができると考えられる。
|