研究概要 |
1.目的 部分的に歯の喪失した65歳以上の患者を対象に、規定回数咀嚼時の刺激唾液分泌速度と咀嚼回数,グミゼリーを用いた食品咬断率、質問表を用いた摂食可能な食品種と義歯の咬み合わせ評価度を比較して,義歯の装着が咀嚼能力をどの程度に回復するかについて明らかにする。 2.研究計画とその成果 本研究の主旨について説明し,同意が得られた20名の義歯使用者を選び,パラフィンペレット100回自由咀嚼時の咀嚼回数(回/分)と刺激唾液分泌速度(g/分)を測定した。義歯の非装着から装着における刺激唾液分泌速度と咀嚼回数の変化については、学会や論文での発表を行っていないので、今回は公表を見合わせたい。 食品咬断率の測定では,食品会社研究部門の協力によって,硬さの異なる2種類のグミゼリーをあらたに製作した。紫外線可視分光光度計を用いた測定と,簡易血糖測定装置を用いた測定を比較したところ,後者の方が分析時間が短く簡便であることがわかった。そこで,この方法を採用して予備実験を行い,グミゼリーの2から32分割の各表面積とグルコース溶出量の関係を分析し,回帰式を算出した。今年度以内に,唾液分泌速度を測定した被験者についてゼラチン溶出量測定を終了し、回帰式から食品咬断率を分析する。 義歯の使用状況と満足度,咀嚼可能食品を把握する質問表を作成し,質問内容の適正さを,10名の高齢義歯装着者の強力により確認した。
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