• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

歯科材料に起因する内分泌撹乱化学物質の研究(雌雄モザイクのサワガニによるバイオアッセイの確立)

研究課題

研究課題/領域番号 11671935
研究機関広島大学

研究代表者

野村 雄二  広島大学, 歯学部, 助手 (80218370)

研究分担者 荒木 晶  水産大学校, 生物生産学科, 助手
高橋 徹  熊本県立大学, 環境共生学部, 助手
占部 秀徳  広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10231185)
キーワード内分泌撹乱化学物質 / 歯科材料 / バイオアッセイ / サワガニ / 雌雄モザイク
研究概要

生体に世代を越えた重大な影響を及ぼすことが懸念されている内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)は,歯科材料からも溶出している可能性が指摘されている。内分泌撹乱化学物質はきわめて低濃度でも作用する可能性があり,常時口腔内にある歯科材料においては,一般食品に劣らず厳格な安全性が求められるべきで,少しでも疑わしい物質が溶出することは事前に阻止されなけれぱならない。そこで,歯科材料の安全性の検討の一手法として,実際の生体への影響を予測する上でもっとも効果的であるバイオアッセイ法を用いることとした。内分泌撹乱物質のバイオアッセイには,擬エストロゲン作用を直接判定することを含め,様々な手法が開発されつつある。本研究は,サワガニを用いたバイオアッセイ法を確立し,口腔内で溶出する内分泌撹乱物質の安全性の判断に応用するものである。サワガニは,カニ類の中でも例外的な直達発達型の発生をおこなうため,発生初期に親ガニから供給された卵栄養を通して内分泌撹乱物質に暴露していることが考えられ,きわめて微量の化学物質で雌雄モザイクを示すことが,本研究で確認された。この雌雄モザイクを引き起こす化学物質の濃度は,歯科材料からの未反応モノマー,重合開始剤,重合禁止剤,紫外線吸収剤等の溶出濃度よりも,はるかに低い濃度で発生することも判明した。さらに,歯科材料から溶出する化学物質の遺伝毒性およびエストロゲン活性試験を酵母を用いたin vitro試験系で実験を行い,サワガニを用いたバイオアッセイとの比較検討を行った結果,十分に活用できることが示唆された。本バイオアッセイは,日本各地域でのサワガニの生態調査および実際のサワガニを飼育してのin vivoでの暴露実験により,環境汚染の指標としても利用できると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] C.MOIN JAN, Y.NOMURA et al.: "The relationship between leachability of polymerization initiator and degree of conversion of visible light-cured resin"Journal of Biomedical Materials Research (Applied Biomaterials). 58. 42-46 (2001)

  • [文献書誌] 野村 雄二他: "雌雄モザイクのサワガニによる内分泌攪乱化学物質の研究"広島大学歯学雑誌. 32・2. 115-116 (2000)

  • [文献書誌] T.Takahashi et al.: "The Occurrence of Dual-gender Imposex in Japanese Freshwater Crab"Journal of Health Science. 46. 376-379 (2000)

  • [文献書誌] 野村 雄二他: "歯科材料に起因する内分泌攪乱化学物質の研究-雌雄モザイクのサワガニによるバイオアッセイの検討-"歯科材料・機器. 19. 189-189 (2000)

  • [文献書誌] Takahashi T. et al.: "Swimming behaviour of the pinnotherid crab, Tritodynamia horvathi observed during the low temperature season"Journal of the Marin Biological Association of the United Kingdom. 79・2. 375-377 (1999)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi