研究概要 |
1.アンケート調査 前年度に引続き,楽器演奏と顎関節症の関連性を検討するために好発年齢層である4年制大学の音楽学部の全学生約270名について,顎関節症状の有無や1年間での症状の変化,また演奏する楽器の種類や演奏時間などについてアンケート調査を行った. また,顎関節症に関する一般的教育,あるいは歯科医学的情報の有無やその程度が疫学的発症頻度に及ぼす影響を明らかにするために,歯科医学教育を受ける歯学部学生(360名)および医学教育を受ける医学部学生(210名)とそのような専門的な医学教育を受けることのない文化系学部学生(1120名)をアンケート対象に加え,顎関節症状の有無や楽器演奏の習慣など音楽学部と同様のアンケート調査を行った. 2.面接調査および画像診査 アンケート調査の結果,顎関節症が疑われる学生のうち協力の得られた一部の学生について面接調査を行い,アンケート調査の回答の信頼性の検証と顎関節の断層X線写真やMRIを用いた歯科的診査を行った. 回答の信頼性については,少数例での面接調査ではあるが,研究結果に重大な影響を与えるような特別の問題点はうかがわれなかった. 3.調査結果のデータベース化 アンケート調査,歯科的診査結果と断層X線写真やMRIの画像情報のデータベース化を行い,経年的資料の蓄積を開始した. 4.学会における発表 昨年度と本年度のアンケート調査により得られた一部の成果について,第13回日本顎関節学会において口演発表した.
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