研究課題/領域番号 |
11671941
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
吉田 圭一 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70230729)
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研究分担者 |
熱田 充 長崎大学, 歯学部, 教授 (60002135)
澤瀬 隆 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80253681)
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キーワード | 酸化チタン / 鋳造純チタン / 紫外線 / 抗菌 / S.mutans / 光触媒 |
研究概要 |
ブラックライトブルーランプ(波長が380nm付近の紫外線)を設置したブラックボックス内で、酸化チタンの光触媒薄膜をコーティングした鋳造純チタン表面に、2.0mW/cm^2の紫外線強度になるように、紫外線を1時間、2時間、3時間、6時間、12時間、または24時間照射した。Brain Heart Infusion中で24時間前培養したStreptococcus mutansを滅菌蒸留水で約10^5 cell/mlに調整した。これを0.5% saccharose含有Phenol Red Broth Base(PRBB)寒天培地中央に10μl(10^3 cell)滴下し、その上に滅菌後各時間紫外線照射した板状の鋳造純チタンを静置し、37℃で6時間培養した。試験片撤去後直下の培地の色調変化を観察し、抗菌性の有無を評価した。また、紫外線照射を行わなかったものをコントロールとして同様に測定した。PRBBはS.mutansの糖代謝に伴う酸(主として乳酸)産生により漸次pHが低下し、赤色から黄色へと色調変化(pH7.8)を起こす。この現象を抗菌効果の指標とし、寒天培地に含有されたPRBBによって、試験片直下の培地の黄変が観察されなければ抗菌性を示すと判断した。 その結果、紫外線照射時間が3時間までは培地が黄変し、6時間では若干黄色を呈していたが、12時間と24時間では赤色のままであった。また、酸化チタンのコーティング処理は施してあるが紫外線照射を行わなかったコントロールの培地は黄変した。したがって、今回行った光触媒活性をもつ酸化チタン薄膜では、6時間以上の紫外線照射を行うと、短期的にはS.mutansに対して抗菌効果を示すことが明らかになった。
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