研究課題/領域番号 |
11671959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
荒川 一郎 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (00277592)
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研究分担者 |
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20095102)
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50226114)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 咀嚼運動 / 脳内血流 / 表面血流 / 咬筋筋活動 / 組織酸素モニタ |
研究概要 |
咀嚼運動と脳内血流との関係を明らかにする目的で、正常者にチューインガム咀嚼を行わせ、咀嚼前後の咬筋筋活動、前額部の表面血流、前額部や側頭部の深部血流を同時記録した。次いで、咀嚼による脳内血流の変化、筋活動量と脳内血流量との関係を調べた。結果は、以下の通りである。 1.ガム咀嚼前後の前額部の表面血流は、ほとんどの被験者で変化が認められなかったが、深部血流は、咀嚼中に増加し、咀嚼後に徐々に減少し、咀嚼前の状態に回復する傾向がみられた。これらのことから、本研究で用いた酸素モニタが表面血流の影響を受けないこと、またチューインガム咀嚼によって脳内血流が増加することが示唆された。 2.前額部では、前頭野の血流を主に測定するため、意識的要素に強い影響を受けることから、スキンヘッドの被験者に対し、咀嚼野上の皮膚上と側頭部上の皮膚上の2部位での血流を検索した結果、開口運動を記録できる部位を条件とすることにより、側頭部上でも咀嚼野上と同様な血流を測定できることが判明した。 3.側頭部上では筋活動の影響が考えられたため、両側の咬筋筋活動量と側頭部の深部血流との間、主咀嚼側の咬筋筋活動量と側頭部の深部血流との間、非主咀嚼側の咬筋筋活動量と側頭部の深部血流との間でそれぞれ相関の有無を調べた結果、側頭部の深部血流は、筋活動量の影響を受けないことが確認できた。 4.側頭部の深部血流は、弱度の咀嚼(区間A)、中等度の咀嚼(区間B)、強度の咀嚼(区間C)のいずれにおいても咀嚼中に有意に増加し、咀嚼後、咀嚼前の状態に回復する傾向を示した。また、咬筋筋活動の積分値と脳内血流量は、区間Aが最も少なく、区間B、区間Cの順に多くなり、区間間に有意差が認められた。 5.これらのことから、咀嚼運動によって脳内血流が増加すること、また咀嚼時の筋活動の強さが脳内血流の変化の大小に影響を及ぼすことが示唆された。
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