研究課題/領域番号 |
11671960
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
西山 勝弘 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20084783)
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研究分担者 |
小野塚 実 岐阜大学, 医学部, 講師 (90084780)
小園 知 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40084785)
熊田 秀文 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60120995)
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キーワード | (1)咀嚼 / (2)マウス / (3)脳 / (4)海馬 / (5)細胞 / (6)神経 / (7)痴呆 / (8)記憶 |
研究概要 |
【目的】老齢化マウスの脳において咀嚼機能を減退させた時の学習効率の変化及び脳内(特に海馬体と内臭野)活動の変化を検討した。 【方法】痴呆症状を示す高齢者の多くには歯牙欠損が見られること、さらに齧歯類の咀嚼の殆どは臼歯を使って行うことから、咀嚼変動バロメータは咀嚼機能を低下させる方法を用いた。すなわち、上顎臼歯を歯肉縁の高さまで歯科用タービンで切削する方法と、咬筋運動を支配している両側の咬筋神経を切断する方法である。後者の場合、末梢神経の再生を考慮して、切断部位はさらに切除(約1mmの長さ)した。これによって実験期間中に神経両端の結合が不可能となる。また、これらの処置を施した動物(実験群と対照群)は術後の食物摂取量と体重が無処置のものと同様のもののみを実験に供した。この処置では、咀嚼運動は顕著に減少したが、食物摂取量には有意差が認められないことから、咀嚼変動のパロメーターとしての有用性が高いことが分かった。(Onozuka M.et al.,Brain.Res.826:148-153,1999)。認知機能の低下は高齢者痴呆の最大の特徴の一つであることから、認知機能の解析に適しているMorris water maze(モリス水迷路)法を用い、咀嚼パロメーターに連結した学習動態を検索した。動物の学習パフォーマンスはデジタルビデオカメラに収録し、パフォーマンス時間とパフォーマス距離はコンピュータ制御下で自動的に記録した。その結果、咀嚼機能を減退すると学習効率が有意に低下することが分かった。 【結果】咀嚼機能を減退させることによって、海馬体のc-fos発現が著しく減少され、咀嚼運動が海馬機能の維持に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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