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2002 年度 実績報告書

IL-12により誘導されたMHC拘束性癌拒絶抗原の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11671973
研究機関東北大学

研究代表者

梅津 康生  東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40168753)

研究分担者 鈴木 修治  仙台市保健福祉センター, 所長(研究職)
白井 信一  東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20216170)
キーワードHuman Tumor Cells / MHC class I / IL-12 / Tumor Specific Antigen / CTL
研究概要

ヒト腫瘍細胞UTC-8を用いてその細胞膜表面上のペプチドの正常細胞に対する影響を遺伝子レベルで検討した。その結果、1)IL-12遺伝子を導入したガン細胞はその増殖能が極端に低下し、本実験の大量培養が出来ないことが明らかとなった。2)この増殖能の障害はIL-12遺伝子の二つのサブクラスのうちp35が関与している可能性が認められた。したがって、以後の実験はIL-12遺伝子を導入していない、オリジナルなUTC-8のみを用いて、行った。本ガン細胞を大量に平底フラスコT250に培養し適当なpHに調整した至適濃度の緩衝液(クエン酸-リン酸緩衝液)で一定時間処理し、その上清を各種のフィルターで分画し、最後は、高性能HPLC装置を用いて低分子量部分(M.W.2600〜6500Dalton)のペプチド部分を採取した。このうちのあるピークを正常細胞に添加して、一定時間培養し、そのヒト正常細胞への効果を遺伝子発現レベルで検討した。その結果、調べた約8000個の遺伝子のうち凡そ300個以上の遺伝子発現に対し統計学的に有意に本ペプチドが影響を与え、さらに、発現上昇遺伝子群は癌増殖をさらに有利な方向へ誘導する可能性のある遺伝子群で、発現低下遺伝子群は癌増殖にとっては不利な生理活性遺伝子群であることなどの明瞭な生理活性上の差異が認められることが明らかとなった。以上の結果から、ガン細胞は自己のみならず、その周囲の正常細胞の悪性化を誘導する遺伝子群を活性化するに有利なペプチドを細胞膜表面に発現し、このペプチドが同時に正常細胞のガン細胞化抵抗性遺伝子の活性を抑制する効果を有することが明らかとなった。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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