研究概要 |
実験動物として雄性 wistar系ラット(12週齢)を用いた.ラット頭頂骨に規格化した骨欠損を作製し、担体として整粒・乾熱滅菌した燐酸オクタカルシウム(OCP)を用い、transforming rowth factor-β_1(TGF-β_1)をOCPに凍結乾燥して吸着させ埋入し、OCP単独群と比較検討した.埋入後2,4,8週に試料を作成し、欠損部での骨修復過程を経時的に組織学的および組織定量学的に検索した. 組織定量学的検索では欠損部内に占める新生骨の割合は両群ともに経時的に増加した.4、8週で両群の欠損部内に占める新生骨の割合は統計学的に有意差を示した.本研究でラット頭頂骨部分欠損にTGF-β_1をOCPに吸着させたものを埋入すると共働的に骨修復を促進することが示唆された.これらの成果を1999年ポーランド骨シンポジウム及び第44回日本口腔外科学会総会で発表した. 次年度以降は、同様の骨欠損に、Fibroblast growth factor(FGF),Hepatocyte growth factor(HGF)等の骨形成促進作用の報告されているサイトカインをOCPに吸着させ埋入し、OCP単独群と比較して、欠損部での骨修復過程を経時的に組織学的(光顕、免疫組織化学、遺伝子組織化学)に検索する計画である. また本研究の関連として、ラット頭頂骨部分欠損に埋入したOCPによって骨修復が促進されたことが報告されたため、その成果をJournal of Dental Resarch 78:1682-1687(1999)に確認した.
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