研究課題/領域番号 |
11671977
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
引地 尚子 東京大学, 保健管理センター, 講師 (50292876)
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研究分担者 |
須佐美 隆史 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80179184)
豊岡 照彦 東京大学, 保健管理センター, 教授 (00146151)
高戸 毅 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90171454)
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キーワード | 骨延長 / フリーラジカル / 細胞増殖因子 / 骨トランスポート法 / 分子生物学的研究 |
研究概要 |
骨延長過程では、一般の骨形成・骨リモデリング過程と異なることが予想される。しかしながら、骨延長における骨代謝の基礎的研究は、あまり進展していない。われわれは骨延長の臨床応用法の開発を行う一方、その基礎的背景となる骨代謝の組織学的研究、分子生物学的研究を進めている。特に骨延長時の代謝機構を担うものの一つとして、細胞間情報伝達物質の一つであるNOなどのフリーラジカル、細胞増殖因子のbFGFなどについて着目し、検討を行った。 1.本年度われわれは、骨延長法の1つである骨トランスポート法を用いて新たな顎関節形成術の動物実験モデルを作成し、形態学的および組織学的な検討を加えた。42羽の白色家兎を用い、顎関節部を除去した後に再度関節機能を有する顎関節を再生させるモデルを開発した。その結果、可動性を有する顎関節の再建が期待されると考えられた。 2.細胞間情報伝達物質の一つである NOにつきその骨代謝における機能を検討した。その結果、NOは骨形成作用を持つ一方、炎症性サイトカインの影響を受けると、骨吸収作用を持つことを明らかにした。 3.局所的に産生されるパラクライン因子の中で、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)に着目し、その骨代謝における機能について精査した。その結果、bFGFが骨代謝において骨形成、骨吸収の両面の制御を行う重要な因子であることを解明した。 このような骨形成・骨吸収作用の両面を持つ局所因子が、骨延長過程では重要な役割を果たしていると考え、現在その作用について解明中である。
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