研究課題/領域番号 |
11671992
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宮本 洋二 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20200214)
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研究分担者 |
武知 正晃 徳島大学, 歯学部, 助手 (00304535)
藤澤 健司 徳島大学, 歯学部, 助手 (40228979)
石川 邦夫 岡山大学, 歯学部, 助教授 (90202952)
桃田 幸弘 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00304543)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | アパタイトセメント / 骨置換 / ハイドロキシアパタイト / 連続気孔 |
研究概要 |
より迅速に骨置換するアパタイトセメントを開発するために、連続気孔を有するアパタイトセメント硬化体の作製とその物性、骨置換に関する組織学検討を行った。連続気孔はステンレス鋼線を用いて作製することとした。まず、2枚のアクリル板にステンレス鋼線の直径に一致したホールを形成し、連続気孔作製装置とした。 連続気孔を有するアパタイトセメント硬化体の作製は次の手順で行った。まず、前述の2枚のアクリル板を対面させて、各々のホールにステンレス鋼線を通した。次に、アパタイトセメントを練和し、鋼線の隙に緊密にセメントを充填後、相対湿度100%のインキュベーター内で24時間静置した。その後、慎重にアクリル板とステンレス鋼線を取り外し、試料とした。 硬化体の組成分析においてアクリル、ステンレスの影響を受けることなく、hydroxyapatiteへの変換がみられた。次に、ステンレス鋼線の直径が、機械的強度に与える影響を間接引張強さの測定にて評価した。その結果、直径が0.7mmより太い場合には、機械的強度が著しく低下した。また、0.4mmよりも細いものは、試料の作製が非常に困難であった。したがってステンレス鋼線の直径として0.5〜0.6mmが最適であった。 作製した連続気孔を有するアパタイトセメント硬化体をウサギの脛骨に埋入し、組織学的検討を行い、骨との置換を評価した。その結果、軟組織と界面には、炎症細胞の出現も極く軽度で良好な組織親和性が保たれていた。骨との界面には、軟組織の介在はみられず、連続気孔の中に骨が侵入し、網目状の骨が新生されていた。さらに、埋入3か月目では、セメント中に半島状の吸収窩が形成され、内部に骨が侵入し、ところによっては骨髄の形成も観察された。これらの所見は、気孔形成によって表面積が増加し、骨との界面が増加、骨置換が増進されることを示していた。現在、長期の動物実験を継続中である。
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