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2000 年度 実績報告書

転写因子NF-κBおよびプロテアーゼ阻害を標的にした口腔癌転移予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11671993
研究機関九州大学

研究代表者

池邉 哲郎  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (20202913)

研究分担者 白砂 兼光  九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (30093420)
キーワードNF-κB / MMP / 口腔癌 / 癌の浸潤・転移
研究概要

転写因子NF-κBと、癌細胞の浸潤を促進するプロテアーゼを分子標的として、口腔癌の浸潤・転移を抑制できる可能性を検討した。そのために以下のストラテジーを試みた。
(1)NF-κB活性化を抑制する因子・薬剤を調べる途上で、インターロイキン4(IL-4)とデキサメサゾン(DEX)が口腔癌細胞のを抑制することを見出した。同時に、IL-4とDEXは、口腔癌細胞の浸潤促進プロテアーゼMMP-9,uPAの発現と活性化を抑制した。IL-4とDEXは、NF-κBを抑制することによってMMP-9とuPAの発現を抑制することがわかった。
(2)NF-κBのインヒビターであるIκBαのドミナントネガテイブ(DN)遺伝子発現ベクターを作製した。口腔癌細胞(扁平上皮癌と腺様嚢胞癌)では、恒常的にNF-κBが活性化され、NF-κBが核に局在し、MMP-9とuPAの発現増強がみられた。IκBαDN遺伝子発現ベクターの導入により、NF-κBは核から細胞質に移行し、NF-κBの不活化がみられた。同時にMMP-9とuPAの発現も抑制されたが、腺様嚢胞癌細胞ではこれに伴って、抗癌剤シスプラチンに対する感受性が増した。
(3)IκBαキナーゼ(IKKキナーゼ)の遺伝子発現ベクターとIKKキナーゼのドミナントネガテイブ(DN)遺伝子発現ベクターを作製した。IKKキナーゼ発現ベクターを口腔癌細胞株に導入し、IKK高発現株のクローニングを行なっている。IKK高発現株はNF-κB活性化が亢進し、高浸潤・高転移能を有すると考えられるため、IKKDN遺伝子ベクターによってNF-κBの抑制を試みる研究を現在進行中である。
以上の結果から、NF-κBは口腔癌の分子標的として有用であることがわかった。NF-κBを抑制する方法として、IκBαDN遺伝子の使用は遺伝子治療の道具として効果的と思われた。また、IL-4とDEXのような既存の薬剤を組み合わせてNF-κBを標的にできる可能性を見出した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ikebe.T., et al.: "Aging-Dependent Proteolysis of NF-κB in Human Fibroblasts"J.Cell.Physiol.. 182. 247-255 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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