研究概要 |
ヒト舌原発扁平上皮癌細胞SASからクローニングした高浸潤性クローン(SAS-H1)および低浸潤性クローン(SAS-L1)を用いて,浸潤性の異なるクローン間で特異的に発現している浸潤転移関連遺伝子をDifferential display(DD)法により検索する.得られたcDNAをプローブとして遺伝子全長のクローニングを実施,アミノ酸配列決定後,コードする蛋白質の機能解析を行う.この結果から,浸潤転移に特異的に発現する遺伝子を明らかにする 研究成果 当確年度においては,舌扁平上皮癌細胞から得られた浸潤性の異なるクローンから全RNAを調製し,Fluorescence diffrential display kit,rhodamine version(TAKARA)を用いて,DD法を施行した.同様に10%FBS刺激時の両細胞の比較をも行った. その結果,アンカープライマーによるpoly(A)-mRNAの選択的逆転写反応を行った後,アンカープライマーと任意プライマーを用いてPCR反応を施行し,cDNA断片として増幅した.PCR産物をシークエンスゲル上に展開し,フィンガープリント上の各バンドを比較検討したところ,SAS-H1で7種類,SAS-LIで5種類の明かな差異を認めるバンドを認めた.また,血清依存性に両細胞間で,up-regulationまたはdown-regulationするバンドがみられ,現在も解析を続行している. 計画では,当確年度に遺伝子全長クローニングに至り,蛋白質解析の予定であったが,次年度以降に延長して研究を続行する予定である.
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