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1999 年度 実績報告書

口腔癌の発症とその増殖における内分泌環境の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11672021
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

小園 知  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40084785)

キーワード(1)口腔扁平上皮癌 / (2)エストロゲン受容体 / (3)プロゲステロン受容体 / (4)エストロゲン調節蛋白 / (5)免疫組織化学
研究概要

口腔粘膜上皮は、子宮膣部の重層扁平上皮と同調した性ステロイドによる周期性変化を示すことが知られている。この口腔粘膜上皮に由来する唾液腺組織およびエナメル器には性ステロイドレセプターが発現しており、多形性腺腫、腺様嚢胞癌や粘表皮癌およびエナメル上皮腫にエストロゲン依存性を示唆し得る腫瘍の存在を先に確認している。
そこで、口腔粘膜癌の発症と増殖に内分泌環境が関与するか否かを明らかにする目的で、口腔扁平上皮癌45例の生検パラフィン包埋材料を用い、エストロゲン(ER)とプロゲステロン受容体(PgR)およびエストロゲン調節蛋白(EPR)の発現を免疫組織化学的に検索した。口腔粘膜の重層扁平上皮では、傍基底細胞並びに棘細胞層に散在性にERとPgR陽性細胞が関され、さらにEPRの発現が観察された。口腔扁平上皮癌では、ERおよびPgRは共に間質結合組織に接する癌胞巣辺縁の腫瘍細胞に陽性所見が観察された。今回検索した症例では、いずれも性ステロイド受容体の陽性細胞を認めたが、高率の陽性細胞比率(陽性細胞比率から10%cut off levelによる評価)を示すものは少なく、陽性例は男性1例、女性2例にすぎなかった。しかしながら、これらの陽性例は、エストロゲン依存性癌である可能性が示唆される。現在、ヒトERcDNAからRNA probe作成を行っており、次年度は、口腔粘膜癌に性ホルモン依存性腫瘍の存在の有無を明確にする目的で、in situ hybridization法を用いてERmRNAの発現の有無を解析することを予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 小園 知: "唾液腺腺様嚢胞癌におけるエストロゲンレセプターの発現"日病会誌. 88・1. 249 (1999)

  • [文献書誌] 本間義郎: "口腔粘膜多発癌の臨床病理学的特徴と背景因子"口腔腫瘍. 11・3. 151-161 (1999)

  • [文献書誌] Yamamoto,T.: "Origin of primary sensory neurons innervating the buccal stretch receptor"J.Dent.Res.. 78・1. 49-53 (1999)

  • [文献書誌] Onozuka,M.: "Reduced mastication stimulates impairment of spatial memory and degeneration oh hippocampal neurons in aged SAMP8 mice"Brain Res.. 826. 148-153 (1999)

  • [文献書誌] 佐藤一芳: "DMBA誘発ラット顎下腺腫瘍の発生過程におけるエストロゲン受容体の発現"歯基礎誌. 41・5. 162 (1999)

  • [文献書誌] Onozuka,M.: "Impaorment of spatial memory and changes in astroglial responsiveness following loss of molar teeh in aged SAMP8 mice"Behavioural Brain res.. 108. 145-155 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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