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2000 年度 実績報告書

口腔癌の発症とその増殖における内分泌環境の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11672021
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

小園 知  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40084785)

キーワード口腔扁平上皮癌 / エストロゲン受容体 / プロゲステロン受容体 / 免疫組織化学 / ERmRNA
研究概要

口腔軟組織は内分泌系の異常によって種々の障害がみられ、特に性腺機能異常ではエナメル質形成不全や歯の発育遅延を生じ、歯肉炎の病態にも性ステロイドの関与することが知られている。ホルモン標的臓器あるいは腫瘍組織における特異なホルモン受容体の存在は、その細胞がホルモンの影響下にあることを示している。そこで、口腔粘膜癌の発症と増殖に内分泌環境が関与するか否かを明らかにする目的で、口腔扁平上皮癌103例(舌34例、歯肉27例、頬粘膜が6例、口腔底8例、上顎洞11例、口蓋7例)の生検パラフィン包埋材料を用い、エストロゲン(ER)とプロゲステロン受容体(PgR)の発現の有無を検索した。生検時の年齢は31〜89歳で、平均62.8歳であった。性別は、男性60症例(58.2%)、女性43例(41.8%)であった。免疫組織化学的検索で、ERは103例中例54(52.4%)と半数例以上の症例に陽性反応がみられ、PgR陽性症例は10例(9.7%)であった。また、ER陽性例は、PCR法を用いた検索でいずれもERmRNAの発現が確認された。ER陽性率は、口底部癌と歯肉癌に高く、ついで頬粘膜癌と舌癌で、上顎洞癌は最も低かった。ERとPgRの両レセプターの発現の見られた症例は男女とも5例ずつ観察された。年齢は、男性が61〜80歳で、女性は49〜82歳であった。両レセプターの発現した症例の組織学的分化度は9例が高分化型で、1例が中分化型であった。これら両レセプターの陽性例は乳癌の如きエストロゲン依存性癌であることを示しており、口腔扁平上皮癌においても内分泌療法が有効である可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hiroyuki Hayashi et al.: "Morphological aspects of the postonatal development of submandibular glands in male rats : Involvement of apoptosis"J Histochem.Cytochem.. 48・5. 695-698 (2000)

  • [文献書誌] Yoshiro Honma et al.: "Salivary duct cyst in submandibular gland in young woman."A.J.O.M.S.. 12・1. 79-84 (2000)

  • [文献書誌] 木下靱彦 他: "PLLAメッシュの長期組織反応-ラット皮下と骨膜下への埋入実験"生体材料. 18・6. 253-259 (2000)

  • [文献書誌] 小園知 他: "咀嚼機能と老化:特に高齢期の高次機能に及ぼす影響"歯基礎誌. 42・5. 139 (2000)

  • [文献書誌] 佐藤一芳 他: "舌癌におけるMUC1発現に関する免疫組織科学的研究"歯基礎誌. 42・5. 101 (2000)

  • [文献書誌] 森川訓行 他: "チタン性人工歯根へのコラーゲン固定による歯肉組織との接着性向上に関する研究"生体材料. 19・1. 10-20 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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