研究課題/領域番号 |
11672024
|
研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
瀬戸 皖一 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064367)
|
研究分担者 |
近藤 寿郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (70178416)
高垣 裕子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60050689)
|
キーワード | 骨細胞 / 機械的刺激 / 下顎骨骨細胞 / オステオカルシン / 骨延長術 / 副甲状腺ホルモン / 超音波 / 伸展刺激 |
研究概要 |
本年度は下顎骨細胞の機械的外力に対する応答特性の大腿骨との比較を計画しており、機械的外力の種類として、最近報告した骨髄幹細胞に働き骨形成を促進する(B.B.R.C.vol.268)超音波刺激と、既に報告したフレクサーセル社製の細胞伸張装置(神奈川噛科大学に設置されている)を用いた(Endocrinology vol.137及びB.B.R.C.vol.246)伸張刺激を予定した。 1、ヒト骨系細胞の単離と培養 分化した骨芽細胞及び骨細胞の単離と培養に関しては、既に報告した方法(J.Bone Miner.Res.vol.10及びCalcif.Tissue Int.vol.57)に準ずる。下顎骨骨片は本教室にて行う下顎前突症手術にて切除することで得られる不要な骨片を患者の承認のもと、材料とし、1回のみのコラゲナーゼ処理をしたあとの上清を骨芽細胞、骨細胞は骨片より外生したものを試料とした。大腿骨骨片は北里大学整形外科の協力により採取し、同様の処理を行ったのち試料とした。 2、骨系細胞に対する機械的外力の負荷 機械的外力はエクソゲン社製の超音波発生生装置(神奈川歯科大学に設置されている)を用い(B.B.R.C.vol.268)、培養皿の底にマトリゲルと細胞を移し、接着培養し下方より超音波刺激をあてる独自の方法を採っている。刺激前、刺激開始後15分、1時間、6時間、24時間後の細胞の応答を観察した。またこの環境下にPTHを投与し、細胞の応答に対する影響を観察した。 3、骨系細胞に対して機械的外力が及ぼす影響の検討 細胞が機械的外力の負荷された状態で示す増殖、基質合成や石灰化の変化は、既に報告した方法(J.Bone Miner.Res.vol.10及びCalcif.Tissue Int.vol.57)で調べる。特に今回は2で示した様々な条件変化を行い、オステオカルシンなどの基質タンバクやIGF-1(インスリン様増殖因子)(B.B.R.C.vol.246)等について、設備備品として購入したサーマルサイクラーを用いて、RT-PCR法を行い、発現を比較した。 その結果、(B.B.R.C.vol.268)に報告したように、超音波刺激は骨髄間質細胞由来ST2細胞に対しては骨形成に効果的に作用したが、骨系細胞とくに骨細胞に対しては効果が期待できなかった。しかし下顎骨骨系細胞に対しては超音波刺激の様なMicro Stressは骨形成に効果的に作用する様な結果が出ており、追試験を重ねた上で報告を行う予定である。
|