本実験転移モデルにおける至適条件設定について検討するため、高転移性および非転移性を有するマウスLewis肺癌細胞株(A11)をC57BL/6マウス鼠径部皮下に接種して腫瘍形成後、腫瘍径15mmに達した時点でPDTを行いフォトフィリン量、レーザー照射量について実験を行った。 1.実験材料:高転移性および非転移性を有するマウスLewis肺癌細胞株(A11)、2レーザー装置:Nd:YAGレーザー、3光感受性物質:フォトフィリン。 上記の実験装置および材料を使用してマウス鼠径部皮下に実験的腫瘍を形成させ、PDTを行った。マウス体重の対応するフォトフィリンを投与後、パルス条件のNd:YAGレーザーの照射条件を検討した。しかし種々の照射条件においてもPDTの効果そのものが不確定であった。さらにフォトフィリンの投与量についても検討したが同様の結果であった。これはフォトフィリンの励起波長が630nmの光源に対応するものであると考えられた。したがって今後、本実験を進めるにあたり、励起光源を630nmのレーザーで実験を行う予定である。またこの目的のためには半導体レーザーを使用することが妥当であると考えられた。
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