研究概要 |
1.パソコンを利用した教材・教具論について述べられている最近の保健教育文献を中心に,その利用の仕方,課題等についてまとめた。情報化時代に向けて,パソコンは有用な手段となりうる見解が多くみられた。 2.全国の小学校470校,中学校・高等学校各々235校の養護教諭に対して,「学校保健」および「歯科保健」の領域でパソコンを利用しているかについてアンケート調査を行った。「学校保健」での利用率は小では約50%,中高では約75%であった。「歯科保健」での利用率は小では全体の約25%,中高では全体の約40%であった。内容はワープロ,簡単な表計算・作図であり,「保健だより」などへの利用が多くみられた。 3.小学生と保護者を対象として「歯」についての知識・関心,親子関係について調査し,その結果を踏まえてセルフエスティームを高め,ライフスキルの形成を目的とした今後の歯科保健指導のあり方,方法などについて考察した。保護者の意識が高い家庭ほど子どもの意識も高いことが認められた。学校教育においても保護者が参加できるような積極的な指導を行うことでライフスキルの形成が高まることか確認された。 4.磨きかたに役立つ歯の模型(教具)を作製し,小学校での歯科保健指導実践を行ったところ,子どもを引きつけ,学習への関心・意欲を高めることができた。また,歯の保健知識の年次変化などを調査し指導の有効性の確認したり,保護者・家族との連携支援についての評価をまとめた。 5.保健委員会の活動過程を知識普及・保健行動改善・学習支援の3段階に分け,各段階に応じて支援を行った。その結果,保健委員は自発的に健康問題を持つ児童を観察し,観察結果をもとに自分ができる行動を考え,活動を通して自分自身の学びを得るなど,目標とした「自ら歯の健康づくりに取り組む能カ」を身につけることができた。
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