研究概要 |
小児歯科診療における小児とのコミュニケーション能力の向上を目的として,歯科医師7名に対し行動科学的トレーニングを行った。従来の講義形式の教育のみならず,ビデオテープやロールブレーを用いたシミュレーション型のトレーニングを行い,トレーニング前後の2回にわたり「小児とのコミュニケーション技能評価尺度」を実施した。そして,トレーニングを行わなかったコントロール群(歯科医師7名)と比較検討を行った。その結果,トレーニング群とコントロール群間において,1回目の平均スコアーには統計的有意差が認められなかったが,2回目の評価においてはトレーニング群の方が平均スコアーが高く,両群間に5%の危険率で有意差を認めた。 小児歯科診療における保護者とのコミュニケーションに関する行動科学的トレーニングの効果について,質問紙調査法により検討を行った。正の強化による自発的行動変容を基本としたトレーニングの有効性について,コントロール群7名とトレーニング群6名の総計13名の歯科医師を対象に,トレーニング前後の2回にわたり「保護者とのコミュニケーション技能評価尺度」を実施し検討を行った。その結果,トレーニング群とコントロール群間において,1回目の平均スコアーには統計的有意差が認められなかったが,2回目の評価においてはトレーニング群の方が平均スコアーが高く,両群間に5%の危険率で有意差を認めた。 以上の事より,歯科医師に対する小児や母親とのコミュニケーション能力の向上を目的とした行動科学的トレーニングの有効性が示唆された。
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