研究課題/領域番号 |
11672059
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
古賀 寛 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (00266561)
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研究分担者 |
眞木 吉信 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (80125012)
高江洲 義矩 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60048303)
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キーワード | フッ化物 / フッ化物分析 / 食品中フッ化物濃度 / 微量拡散法 / 一日フッ化物摂取量 |
研究概要 |
目的:WHO世界保健機関では、フッ化物応用によるう触予防効果は、疫学的に実証されているとしている。フッ化物は、栄養学的に成長にとって必要不可欠であるとの報告があり、WHO/FAOでも一日所要量として推奨値が記載されている。一方、わが国では、年齢別の一日フッ化物摂取量(Daily Fluoride Intakes,DFI)の記載はみられない。本研究は、市販食品のフッ化物を分析し、永久歯が発達してくる乳幼児期から7歳までの一日フッ化物摂取量を推定することを目的とした。材料と方法:乳児期は、市販調製粉乳10種類と市販離乳食品39品目を分析試料とした。幼児から学童期ための食品は、マーケットバスケット方式に従い、国民栄養調査報告結果に分類に準じて、56品目入手した。乾燥食品は微粉末にし、水分を含む食品は60℃で一晩乾燥して粉末にした。食品のフッ化物分析はHMDS-微量拡散法-Fイオン電極法で行い、その拡散条件は60℃・12時間とした。結果と考察:水道水フッ化物濃度を0.1ppmと仮定すると、乳児期の調製粉乳と市販離乳食からのDFIは、3ヶ月から8ヶ月までの一日フッ化物摂取量は、0.18mg〜0.27mgと推定される。もし母乳栄養であれば、離乳食からのみの値になり、さらに低値を示す。1歳から9歳までのDFIの推定値は、1999年度の食品成分表の香川らの食品摂取量を基に産出した。飲料水は1000mlと嗜好飲料水は300mlとしました。さらに食品からのフッ化物摂取量との合計をDFIとした。その結果、乳児3〜8カ月では0.175〜0.266mg、1歳で0.289mg、3歳では0.321mg6歳で0.321mgと推定された。さらに、体重1kg当たりのDFIは、0〜1歳までは0.024〜0.029mg、3歳〜6歳までは0.015mgを示した。日常食品からのフッ化物の摂取量は、米国での推奨量よりはるかに低値であった。
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