離乳直後からの粉末飼料での飼育が、固形資料での飼育と比較して、老化や寿命にどのような影響を及ぼすかを、寿命が1年ほどと短い老化促進マウス(P-1)を用いて検討した。 実験方法としては、離乳時期である生後20日に親から分離後、1匹ずつケージに入れ固形飼料、粉末飼料で飼育し、体重飼育摂取量、老化度指数、自発運動量(今回購入した動物自発運動量測定装置を用いて測定)、舌へのアミロイド蛋白の沈着量、自然死するまでの生存日数を測定した。 その結果 1)体重、飼料摂取は両群間に有意な差は認められなかった。 2)老化度指数は粉末食群の方が固形食群に比べ常に高かった。 3)自発運動量は粉末食群の方が固形食群に比べ常に少なかった。 4)アミロイド沈着は24週以降、粉末食群は固形食群に比べ沈着量が多かった。 5)粉末食群の方が早期に死亡する傾向が認められた。 以上のことより、マウスでの粉末飼料飼育が固形飼料飼育に比べ、老化が早期に進行し、寿命が短くなることが示唆された。 粉末食で老化が促進された原因として消化管へ全く固形分のない飼料が入ったためなのか、歯を使わず咬まないためなのかを検討するため、現在マウスの臼歯を抜歯してその影響を検討中である。
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