研究課題/領域番号 |
11672077
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40200141)
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研究分担者 |
上村 参生 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70168665)
神原 正樹 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90103085)
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キーワード | 歯周疾患 / 歯槽骨吸収 / 全身疾患 / 生活習慣 / 咬合 / 歯科保健行動 / 疫学研究 / 高齢者 |
研究概要 |
本研究では、パノラマX線撮影による歯科健康診断が組み込まれた人間ドックの診査・検査結果および質問紙の回答結果を用いて、50歳以上になっても歯槽骨の吸収をほとんど起こさない者の全身状況および生活習慣の特性について明らかにした。 対象者は、平成9年度から12年度までに本健康診断を受診した50歳以上の者のうち、歯槽骨の吸収をほとんど起こしていない者36名(61.9.±6.9歳、Mean±S.D.)ならびに歯槽骨の吸収が著しい者38名(62.9±7.3歳、Mean±S.D.)の計74名であり、両群間における全身の健康状況、生活習慣、歯科保健行動、う蝕罹患状況および咬合圧や咬合状況の違いについて検索した。 その結果、次のようなことがわかった。 1)全身の健康状況については、血液検査(肝機能・腎機能・脂質代謝・糖代謝・尿酸代謝・蛋白代謝などの検査)、尿検査、心電図および血圧検査などの結果を両群間で比較したが、ほとんど差は認められなかった。 2)生活習慣については、歯槽骨の吸収をほとんど起こさない者の方が、喫煙する者の割合が有意に低くなるのをはじめ(p<0.05)、子供の頃のしつけが厳しかった者および規則正しい食生活をしている者の割合がやや多くなる傾向を示した。 3)歯科保健行動については、歯槽骨の吸収をほとんど起こさない者の方が、定期的に歯石除去などの予防処置を受けている割合が高くなる傾向を示したが、歯磨きの回数および時間については差が認められなかった。 4)う蝕罹患状況については、歯槽骨の吸収をほとんど起こさない者の方が、有意に未処置歯が少なく(p<0.05)、また歯髄処置を施している歯が少ない傾向を示したが、う蝕経験(DMF)歯数には差が認められなかった。 5)デンタルプレスケールを用いて咬合圧や咬合状況態の診査を行ったが、この診査については十分な被検者が確保できず、詳細な検討ができなかった。
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