研究課題/領域番号 |
11672086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
米田 雅裕 九州大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10253460)
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研究分担者 |
広藤 卓雄 九州大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10189897)
中山 浩次 長崎大学, 歯学部, 教授 (80150473)
前田 勝正 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117243)
濱地 貴文 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (80198811)
阿南 壽 九州大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80158732)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | Porphyromonas gingivalis / Bacteroides forsythus / 混合感染 / gingipains |
研究概要 |
歯周炎は歯肉溝に棲息する細菌によって引き起こされる感染症で、Porphyromonas gingivalis等いくつかの偏性嫌気性菌が歯周病原性細菌として注目されている。一方、歯周疾患の多様性や疫学的な研究結果から、歯周炎はいくつかの細菌の混合感染によって引き起こさていると推測される。Bacteroides forsythusは、P.gingivalisと共に活動型の歯周炎局所から高頻度に分離され、歯周炎の発症に強く関っていると考えられるが、培養が困難なことからその病原性については不明な点が多い。今回我々は、マウス膿瘍モデルを用い、P.gingivalisとB.forsythusの混合感染による病原性の変化について検討を行った。また、P.gingivalisの病原因子の一つであるプロテアーゼを欠失した変異株を用い、膿瘍モデルにおけるプロテアーゼの意義についても検討した。各種細菌をBalb/cマウス背側部の皮下に接種し形成された膿瘍の大きさを計測しした。その結果P.gingivalisは強い膿瘍形成能を示し早期に潰瘍を形成したが、B.forsythusは弱い膿瘍形成能を示し、潰瘍形成をすることはなかった。両者を混合して接種すると、単一で感染させた時に比べて膿瘍の大きさが相乗的に増大することが明らかになった。また、gingipainの欠損株KDP112(rgpA rgpB)、KDP129(kgp)の膿瘍形成能は33277(野性株)のそれぞれ34%、59%に低下しており、KDP128(rgpA rgpB kgp)の膿瘍形成能は33277の8%に低下していた。これらの株とB.forsythusを混合して接種した場合、相加効果はみられたものの相乗効果は確認できなかった。P.gingivalisとB.forsythusを混合して接種すると病原性が相乗的に増加したことから、歯周局所では複数の種類の細菌が何らかの相互作用を及ぼしていると推測される。また、P.gingivalisのプロテアーゼ活性を欠失した株は膿瘍形成能が有意に低下しており、混合感染にみられる相乗効果も消失したことからP.gingivalisのプロテアーゼは、混合感染の際に重要な役割を果たしていると考えられる。
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