研究課題/領域番号 |
11672091
|
研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
川瀬 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (30084784)
|
研究分担者 |
根岸 秀幸 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60121026)
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20104333)
藤原 努 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (50084778)
|
キーワード | ヒト歯根膜線維芽細胞 / ストレッチング / 細胞接着・伸展因子 / オステオネクチン / 歯周組織再生 |
研究概要 |
ヒト歯根膜の組織片をサンドイッチ法によるexplantで得たヒト歯根膜線維芽細胞(HPLF)を継代培養し、無血清培地の条件でFlexcer Strain Unitを用いて負荷を最大伸張度7-25%、3cycles/minの頻度で培養した。その培養上清(HPLF-CM)を疎水性のウエルにコーティングしHPLFを播種し、細胞接着・伸展活性(CASF活性)を測定した。その結果ストレッチングを負荷することによって、CASF活性は上昇した。この活性物質は疎水性のウエルに結合する疎水性のドメインを持つタンパク質と考えられたので、HPLF-CMをoctyl-Sepharoseカラムで0.2%CHAPSと1.0%CHAPSで溶出し、疎水性の違いによりタンパク質を分離した。1.0%CHAPSで溶出される分画にCASF活性が認められたので、さらにSDS-PAGEで分離すると主に40-43kDaの分子サイズのバンドが確認された。そこで、1.0%CHAPS溶出分画をN-末端からのアミノ酸配列を分析したところヒトのオステオネクチン(ON)であった。アミノ酸配列からウシONと異なることから培養中のウシ胎児血清由来のONではないことも確認できた。また、40-43kDaの分子サイズのバンドがウエスタン・ブロッテイング法で抗ONモノクローナル抗体と交差反応を示した。 従って、ONはHPLFが産生し、機械的外力に応答し、歯周組織再生に極めて重要なプロセスである細胞の接着と伸展を調節する因子の一つのタンパク質であることが明らかとなった。
|