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1999 年度 実績報告書

リパーゼの不斉識別能を活用する高効率的不斉合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11672102
研究機関大阪大学

研究代表者

赤井 周司  大阪大学, 薬学研究科, 助手 (60192457)

キーワードリパーゼ / エトキシビニルエステル / エトキシビニル 2-フロアート / 不斉四級炭素 / ジオール / 非対称化 / 光学活性アルコール / 酵素触媒エステル交換反応
研究概要

近年、酵素触媒エステル交換反応による光学活性アルコール類の合成が広く利用されている。この反応に用いるアシル化剤として、ビニルエステルが現在最も繁用されているが、副生成物するアセトアルデヒドによる酵素の失活や、アシル基部分の構造修飾の難しさなどの問題点があった。我々は最近、簡便に合成できる1-エトキシビニルエステル(1)が、酵素の失活を起こさず、ビニルエステルに代わる優れたアシル化剤になることを見出した。本研究は、この成果を発展させて、従来法ではできなかった新しい高効率的不斉合成反応の開発を目的とする。本年度は、計画に従い以下の成果を得た。
プロキラル二置換-1,3-プロパンジオールの酵素的非対称化反応は、不斉四級炭素の新合成法になるが、生成物のアシル基転位によるラセミ化などの理由で成功例が殆ど無かった。我々は最近、ベンゾイル基を有する1がこの問題点の解決に有効であるという知見を得た。この結果は、これまであまり注目されなかった芳香族アシル化剤の有用性を示唆するものであり、より一般性のある高効率的な方法を見出すために、20種の様々な芳香族アシル基を有する1を系統的に検討した。その結果、2-フロイル基を有する1が極めて高い反応性と不斉非対称化能を有すること、生成物のアシル基転位が起こらないこと、導入されたフロイル基が種々の化学反応条件に安定であることなどが明らかになった。この反応剤によって、これまで有効な方法が無かった嵩高い1,3-ジオールや、環状メソ-1,2-ジオールの非対称化が高効率的に進行し、対称性ジオール類の極めて有用な非対称化法を開発することができた。更に、本法を応用して、生物活性天然物の不斉合成研究も順調に進行中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Akai Shuji: "Studies on Total Synthesis of Antitumor Antibiotic, Fredericamycin A"薬学研究の進歩. 15. 21-29 (1999)

  • [文献書誌] Kita Yasuyuki: "Convenient Enzymatic Resolution of Alcohols Using Highly Reactive, Nonharmful Acyl Donors, 1-Ethoxyvinyl Esters"J. Org. Chem.. 65. 83-88 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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