研究概要 |
先に抗マラリア活性を見いだしたマンザミンAおよび関連化合物の構造活性相関に関して知見を得る目的で、沖縄県下およびインドネシアで採集した海綿(Xestospongia sp.,Haliclona sp.)を抽出・分離し、マンザミン類の単離をHPLC,CCC等で行った。その結果、いずれのサンプルからもマンザミンAを主成分として見いだした。 生物活性試験には、単離したマンザミンA,Fに加えて、マンザミンAに各種反応(エポキシ化、還元等)を行って作成した誘導体(7検体)、いくつかの海洋生物から単離したアルカロイド類(10検体)やマクロライドやテルペル等の化合物(17検体)、およびマンザミンAの芳香環部分と類似の合成品(Harmine等4検体)を送った。シンガポール国立大学のDr.Karaらのこれまでのテスト結果によると、マウスに寄生するマラリア原虫Plasmodium bergheiに対するin vivo試験では、マンザミンA以上に有意な活性を示すものは今回のサンプルには見られなかった。このことは、マンザミンAの芳香環部分および脂環式部分の両方ともその活性発現には必要であることを示唆しているが、さらにより多くの関連化合物について活性試験を行う必要がある。 今後の研究方針(マンザミンAの誘導体作成および新規活性成分の探索)等についてシンガポールと沖縄で研究打ち合わせを行った。
|