今年度は、活性DMSO種を用いた一級アミドのニトリルへの脱水反応を低沸点化合物であるペルフルオロニトリルの調整に応用し、反応系内で発生させたペルフルオロニトリルを単離することなしにアルコールで捕捉するペルフルオロイミダート類の簡便合成法を確立した。 ペルフルオロアミド(3.3当量)をDMSO(6.0当量)と塩化メチレンに溶解し-78℃に冷却した後、オキサリルクロリド(3.0当量)とトリエチルアミン(9.0当量)を順次加えるといった簡単な方法でペルフルオロニトリルを発生させ、そのまま系内にDBU(2.0当量)とベンジルアルコール(1.0当量)を加えて反応させた結果、収率良く対応するペルフルオロニトリルイミダートが得られることがわかった。5種類のペルフルオロアミドに対して、3種類のベンジルアルコール、5種類のアリルアルコール、3種類のエポキシアルコールおよび2種類の糖誘導体を組み合わせ、対応する25種類のペルフルオロイミダート類の合成が行えることを明らかとした。 合成したペルフルオロイミダート類は、既存のトリクロロアセトイミダートと比較して、安定性にすぐれ、精製が容易で保存にすぐれた性質を有していた。現在、1)グリコシル化、2)転位反応を用いた官能基の導入3)水酸基の脱離基としての役割を中心に、反応性、活性化法の比較検討を行なっており、ペルフルオロイミダート類に特異で、トリクロロアセトイミダートとは異なった反応性や活性化法を追求している。来年度は、これらの結果について報告する。
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