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2000 年度 実績報告書

ラジカル移動・環化反応を用いる生理活性天然物の合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 11672125
研究機関京都薬科大学

研究代表者

池田 正澄  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30028857)

研究分担者 佐藤 達典  京都薬科大学, 薬学部, 助手 (20205933)
キーワードラジカル移動・環化反応 / アリールラジカル / α-アシルアミノラジカル / 9-azabicyclo[3.3.1]nonane / euphococcinine / テトラヒドロイソキノリン / 5H-benzocyclohepten-5,8-imine / benzocycloocten-5,9-imine
研究概要

橋状アザビシクロ環はその特異な構造及び生理活性の両面から合成化学的に興味深い化合物群である。本研究では、アリールラジカルからα-アシルアミノラジカルへのラジカル移動及びそれに続く環化反応を多官能基化された化合物の合成に応用するために、その一般性に関して検討を行い、さらにこの反応を鍵反応とする生理活性アルカロイドの合成を目的としている。平成12年度期間中に得られた成果を以下に列挙する。
1.9-azabicyclo[3.3.1]nonaneの高収率合成法の開発とeuphococcinine合成への応用:1-(o-iodobenzoyl)-2-methyl-2-[4-(trimethylsilyl)but-3-yny]piperidineのラジカル移動・環化反応は6-exo-dig型で進行して9-azabicyclo[3.3.1]nonane誘導体が定量的に得られた。本環化成績体を酸条件下脱シリル化、オゾン分解によりケトンへ変換し、これをトリフレートとしてPd触媒を用いる加水素分解によって9-benzoyl-1-methyl-9-azabicyclo[3.3.1]non-3-eneへと効率良く変換することができた。また、これにヒドロホウ素化-酸化により3位に水酸基を導入し、さらにこれを酸化してケトン体へと収率良く導くことができた。2級アミンの保護基であるベンゾイル基を除去すればeuphococcinineの合成が達成される。
2.テトラヒドロイソキノリン誘導体のラジカル移動・環化反応:2-(o-iodobenzoyl)-1-[3-(trimethylsilyl)prop-2-ynyl]-1,2,3,4-tetrahydroisoquinolineのBu_3SnH-AIBN条件下でのラジカル環化反応により6,7,8,9-tetrahydro-5H-benzocyclohepten-5,8-imineが95%の収率で得られた。また、1-[4-(trimethylsilyl)but-3-ynyl]-congenerの反応では5,6,7,8,9,10-hexahydrobenzocycloocten-5,9-imineが65%の収率で得られた。以上の結果から本ラジカル移動・環化反応はベンゼン環の縮環したテトラヒドロイソキノリン誘導体の反応にも応用できることが判明した。
3.モルホリン誘導体のラジカル移動・環化反応の検討:4-(o-iodobenzoyl)-5-[4-(trimethylsilyl)but-3-ynyl]-morpholin-2-oneのBu_3SnH-AIBN条件下でのラジカル環化反応を検討したが環化成績体は得られなかった。これには中間体ラジカルのラクトンカルボニル基による安定化の関与が示唆される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 池田正澄: "Regioselective synthesis of bridged azabicyclic compounds using radical translocation/cyclization reactions of 4-alkynyl-1-(o-iodobenzoyl) piperidines"Heterocycles. 54-2. 747-755 (2001)

  • [文献書誌] 池田正澄: "5-Endo-trig radical cyclization of N-benzyl-2-halo-N-(6-oxo-1-cyclohexen-1-yl) acetamides"Heterocycles. 54-2. 1021-1025 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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