研究概要 |
Pyridindololol群の合成研究では、1,3-ジ置換-β-カルボリン骨格の合成を二つの経路で実施し、成果を得ている。即ち、一つは当研究室で推進中の1-アザヘキサトリエン系電子環状反応により、1,3-ジ置換のβ-カルボリン骨格の合成に成功している。第二に、1-アザヘキサトリエン系の一端に三重結合を配した環化反応を検討し、β-カルボリンの合成に成果を見出している。第二の環化反応の反応機構は不明であり、それを解明すべく検討中である。また、いずれの経路がより効果的かを含めて報告したいと考えている。現在、標的化合物群の1-位の側鎖への変換(不斉1,2-ジオール化)を検討中である。 Mescengricinの合成研究では、2-ヒドロキシ-4-メチル-α-カルボリンを2-アザヘキサトリエン系の電子環状反応で合成することに成功し、2-位の水酸基を足掛かりに6員環ラクトン部の構築を検討中である。 本研究のpyridoindole構造の範疇に入る(+)-オキソプロパリンDのエナンチオ選択的全合成は既に成功しているが、絶対配置の決定ができていない。従って、別途電子環状反応を活用しβ-カルボリンを合成し、一方のエナンチオマーの不斉合成を行うことで、絶対配置の決定を行う。現在、基本構造のβ-カルボリン骨格の合成を終え、一方のエナンチオマーの合成を検討しているところである。
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