研究課題/領域番号 |
11672135
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
中田 忠 理化学研究所, 有機合成化学研究室, 主任研究員 (50087524)
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研究分担者 |
松尾 剛 理化学研究所, 有機合成化学研究室, 研究員
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キーワード | ブレベトキシンB / 海洋産多環状エーテル / ヨウ化サマリウム / テトラヒドロピラン / 環化反応 / オキセパン / トランス縮環 / アルコキシアクリレート |
研究概要 |
ブレベトキシンBに代表される海洋産多環状エーテル系天然物の構成成分である環状エーテルの高効率的合成法の開発を目的とし研究を行った。我々は2位にアセトアルデヒド基および3位にβ-アルコキシアクリレート基を有するテトラヒドロピランにヨウ化サマリウムを作用させると完全な立体選択性で目的とするトランス縮環双環性テトラヒドロピランが生成するという重要な知見を見いだした。本反応を繰返すことによる効率的多環状テトラヒドロピランの構築法の確立に成功した。即ち、生成したトランス縮環双環性テトラヒドロピランをDIBAH還元、チオアセタール化、ついでプロピオレートのマイケル付加、脱チオアセタール化により出発原料と同様な官能基を有する化合物を得、再度ヨウ化サマリウムによる還元的環化を行いトランス縮環三環性テトラヒドロピランを得ることができた。更に上記反応を繰返すことによりトランス縮環4環性テトラヒドロピランを合成でき、ここにトランス縮環多環状工一テルの極めて効率的な繰返し型合成法を確立できた。また本反応は、オキセパン環の構築にも有効であり、トランス縮環6-7環、6-7-6-環、6-7-7-環、及び6-7-7-6-環の立体選択的構築にも成功した。また、本環化反応はアルデヒド基のみならずケトン基でも有効に働き、核間メチル基を有する環状エーテルの構築にも成功した。以上、今回開発した多環状エーテル合成法はこれまで報告されている合成法と較べて、立体選択性、効率性、簡便性、収率などいづれの面においても優れた合成法といえ、その天然物合成への応用が大いに期待できる。
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