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1999 年度 実績報告書

蛍光特性の理論的予測と高性能蛍光誘導体化試薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11672137
研究機関東京大学

研究代表者

三田 智文  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30187306)

研究分担者 今井 一洋  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50012620)
キーワードベンゾフラザン / 蛍光 / 半経験的分子軌道法 / HPLC / 誘導体化
研究概要

我々は、既に4,7位ジ置換ベンゾフラザン化合物の蛍光特性が、置換基のハメット定数を用いて予測可能であることを報告している。この予測法を用いれば、試薬自身は無蛍光で、分析対象物質と反応した後に蛍光を発する発蛍光試薬を容易に開発することができる。しかしこの方法はハメット定数が報告されていない置換基には適用することができない。
今回、ハメット定数を用いず、4,7位ジ置換ベンゾフラザン化合物の蛍光特性の予測法を開発した。これまでの知見から、これら化合物の蛍光特性は、芳香環の電子密度と双極子モーメントが大きく関与していることが示唆された。そこで、半経験的分子軌道法PM3法を用いて、これらの値を算出したところ、LUMOエネルギーと双極子モーメントを用いると蛍光特性が予測できることが明らかになった。
さらに、これら化合物の構造と蛍光特性の関係を理論的に明らかにするためにエネルギー準位と蛍光特性の関係を考察した。その結果、最低励起一重項状態と高位三重項状態のエネルギー差が大きいほど蛍光が強いことが明らかとなり、分子軌道計算から蛍光特性を予測することが可能となった。
これらの結果を基に、アルコール基用発蛍光誘導体化試薬(PSBD-NCO)さらにカルボキシル基用発蛍光誘導体化試薬(AABD-SH)を開発した。いずれの試薬も分析対象物質と速やかに反応した。また、生じた誘導体を蛍光-HPLC法で分離検出したところ、対象物質をフェムトモルレベルの高感度で検出できた。
このように、4,7位ジ置換ベンゾフラザン化合物の蛍光特性を理論的に予測し、有用な発蛍光試薬を開発することに成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Seiichi Uchiyama: "Semi-empirical PM3 calculation reveals the relationship between the fluorescence characteristics of 4,7-disubstituted benzofurazan compounds"J. Chem. Soc. Perkin Trans 2. 569-576 (1999)

  • [文献書誌] Seiichi Uchiyama: "Fluorescence characteristies of six 4,7-disubstituted benzofurazan copounds : an empirical and semi-empirical MO study"J. Chem. Soc. Perkin Trans 2. 2525-2532 (1999)

  • [文献書誌] Seiichi Uchiyama: "A fluorogenic reagent, 7-phenylsulfonyl-4-(2,1,3-benzoxadiazolyl)isocyanate for alcohols, with development based on the empirical method for prediction"Analytical Chemistry. 71. 5367-5371 (1999)

  • [文献書誌] Tomofumi Santa: "A new fluorogenic reagent for carboxylic acids, 7-acetylamino-4-mercapto-2,1.3-benzoxadiazaole (AABD-SH)"Analyst. 124. 1689-1693 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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