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2002 年度 実績報告書

マクロファージ由来新規血管内皮細胞増殖抑制因子の精製と性状

研究課題

研究課題/領域番号 11672176
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

臼井 茂之  岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (40176665)

研究分担者 平野 和行  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90057365)
キーワード抗腫瘍多糖 / カードラン / β-glucan / P388D1 / subtractive hybridization / MKK7 / STAT6 / ATP6
研究概要

抗腫瘍多糖β-glucanであるカルボキシメチル化カードラン(CMCD)の存在下にマウスマクロファージ様細胞P388D1を培養するとき、培養上清中に血管内皮細胞増殖抑制因子がP388D1から分泌されることを以前に報告した。そこで、この増殖抑制因子の分泌機構を最終的に解明する目的で、先ず、CMCDによるP388D1の活性化機構について、どのようなmRNAの転写がCMCD刺激により促進されるかを検討した。CMCD刺激後にP388D1から抽出したmRNAには未刺激時のmRNAと比較して、転写亢進が生じて発現量が増加したmRNAが含まれると考えられる。従って、サプトラクティブハイブリダイゼーション(SH)法により、転写亢進したmRNAの選択が可能である。今回は、サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)法を用いて、転写亢進したmRNA由来のcDNAを作製し、サプレッションcDNAライブラリーを構築した。ディファレンシャルスクリーニング法によりこのライブラリーを初回スクリーニングした結果、30クローンのcDNAを得た。更に、ライブラリー中に含まれるクローンの解析は現在続行中である。30クローンについて配列解析を行い、その配列データと一致する遺伝子をBLASTデータベースを用いて検索した。その結果、15遺伝子を同定した。この遺伝子中には免疫システムの細胞内シグナル伝達系に関わるmitogen activated protein kinase kinase 7(MKK7)とsignal transducers and activators of transcription 6(STAT6)、また、免疫システムの活性化に関係するATPase-like vacuolar proton pump 6(ATP6)やpre-B cell colony enhancing factor、および、核・細胞質間輸送に関与するnucleoporin等が見出された。MKK7、STAT6、ATP6について、そのmRNA転写量の増加をRT-PCRにより確認した。現在、β-glucanの免疫賦活化機序解明の手始めとして4種のレセプターが報告されている。本研究で得られた知見は、レセプター以降の細胞内シグナル伝達系に関与する遺伝子を示唆するものであり、β-glucanの機序解明に役立つと思われる。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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