研究概要 |
本研究課題に就いて,平成11年度には以下の研究成果を得る事が出来た。 (1)我々がクローニングしたGAPDH cDNAの開始コドンATG近傍の配列をもとに設計したantisense primer依り,ラット染色体DNA Genome Wlaker kitを用いたPCR法にて塩基配列を異にする2種類のGAPDH遺伝子上流域を含むDNA断片(即ち,#104/#302)の作製に成功した。 (2)上記2種のDNA断片を挿入したルシフェラーゼ・レポーター遺伝子(pGL3)を初代培養小脳granule cellsにtransfectionし,cytosine arabinosideによるアポトーシス誘導後のルシフェラーゼ活性にて同DNAのpromoter機能解析を行った。結果は,#104が#302に比較して約4倍のpromoter機能を発現した。平成12年度は,#104に就いて種々サイズの断片群を作成し,詳細なpromoter領域解析並びに各種転写因子結合配列のコンピュータ解析を行う。 (3)GAPDH側からの神経変性疾患の病因学的検討としては,ハンチントン病及びマシャド.ジョセフ病のtransgenic miceを用い,同病発症脳組織標本にてGAPDHのアポトーシス様神経細胞内過発現(即ち,核内及び核周囲)の同定に成功した。平成12年度は,同病疾患患者の脳病理組織標本(剖検)にてapoptotic GAPDH核内過発現と発症の因果関係の検討を実施する。
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