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2000 年度 実績報告書

カンナビノイド受容体アゴニスト・2-アラキドノイルグリセロールの生理的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11672185
研究機関帝京大学

研究代表者

杉浦 隆之  帝京大学, 薬学部, 教授 (40130009)

キーワードカンナビノイド / 2-アラキドノイルグリセロール / アナンダミド / アラキドン酸 / マリファナ
研究概要

神経系における2-アラキドノイルグリセロールの産生を調べた。その結果、脳ホモジネートをカルシウムイオンの存在下インキュベートしたり、シナプトゾームを脱分極させたりすると、2-アラキドノイルグリセロールがイノシトールリン脂質などから速やかに生成することが確認された。このとき他の脂肪酸をもつモノアシルグリセロールの生成はわずかなものでしかなかった。また、1(3)-アラキドノイルグリセロールの生成もわずかなものでしかなかった。2-アラキドノイルグリセロールの生成はアラキドン酸を2位にもつイノシトールリン脂質の代謝回転と密接にリンクしたものである可能性が考えられる。なお、シナプトゾームを脱分極させたときには、生成した2-アラキドノイルグリセロールの約20%が外に放出されていた。この結果は、2-アラキドノイルグリセロールがシナプス間におけるメディエーターとして機能しうるということを示すものである。次に、in vivoにおける2-アラキドノイルグリセロールの産生を調べた。その結果、ラットに中枢神経興奮薬であるピクロトキシニン等を投与したり、断頭したりすると脳内の2-アラキドノイルグリセロールレベルが著しく高まることがわかった。カンナビノイド受容体は一般に神経の興奮を抑制すると考えられているので、刺激に応じてイノシトールリン脂質等から生成し、シナプス間隙に放出された2-アラキドノイルグリセロールには、一旦起こった神経の興奮を抑制するという重要な生理的役割がある可能性がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Sugiura,T. et al.: "Evidence that 2-arachidonoylglycerol but not N-palmitoylethanolamine on anandamide is the physiological ligand for the CB2 receptor"J.Biol.Chem.. 275. 605-612 (2000)

  • [文献書誌] Sugiura,T. & Waku.K: "2-Arachidonoylglycerol and the Cannabinoid receptor"Chem.Phys.Lipids. 108. 89-106 (2000)

  • [文献書誌] Jarai,Z et al.: "Cardiovascular effects of 2-arachidonoylglycerol"Hypertension. 35. 679-684 (2000)

  • [文献書誌] Sugiura,T. et al.: "Generation of 2-arachidonoylglycerol, an endogenous cannabinoid receptor ligand in rat brain"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 271. 654-658 (2000)

  • [文献書誌] Suhara,Y. et al.: "Synthesis and biological activites of 2-arachidonoylglycerol and its analogunes"Chem.Pharm.Bull.. 48. 903-907 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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