あらかじめチオグリコレート培地を注射したC3H/HeJマウスあるいはC57BL/6マウス腹腔に、IL-2依存性CTLL-2細胞(C57BL/6由来)をIL-2非存在下28時間培養することで得たアポトーシス細胞をプロピオジウムイオダイド(Pl)で標識してから投与し、経時的に腹腔細胞を回収して、フローサイトメーターによって分析した。その結果7時間まで時間依存的に好中球(Gr-1陽性)の浸潤がみられ、ピークは5時間目であった。好中球に対するケモカインの一つ、MIP-2の腹腔浸出液中のレベルをELISAで調べたところ、3時間目がピークであった。アポトーシス細胞はほとんどマクロファージ(Mac-3陽性、F4/80陽性)に取り込まれており、好中球には取り込まれていなかった。この応答は、チオグリコレート培地を注射していないマウスでも、またアポトーシスを起こしていないCTLL-2細胞を投与しても、いずれも程度は低いながらみられた。また、いずれの場合でもマクロファージの浸潤も好中球に比べると低いながらもみられたが、凍結融解を繰り返すことで得たネクローシス細胞を投与すると、好中球の浸潤はみられたものの、マクロファージはもともと存在していた数よりも減少した。これは従来から知られていたMacrophage Disappearance Reactionに相当すると思われるが、今後詳しく検討される必要がある。
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