研究概要 |
平成11年度までの出芽酵母ゲノムの解析から我々が新規に見出したヘリカーゼ様遺伝子のうち、増殖に必須でない遺伝子(YDR332W,YDR291W,YGL064C,YHR031C,YIR002C,YLR419W,YLR247C,YKL017C,YNL218W,YOL095W)と昨年度の解析で遺伝子産物がRNA-dependent ATPaseであることを実証した増殖必須遺伝子 YDL084Wの合計11個について、lexAシステムを利用した酵母two-hybrid法によって、酵母ゲノムライブラリーから相互作用する蛋白質のスクリーニングを行った。自己活性化により解析が不可能であったYIR002Cを除く10個の遺伝子のうちで、現在までにYKL017Cがそれ自身と、YNL218Wがそれ自身を含む少なくとも5個の遺伝子産物(SNF1,YMR102C,TEM1など)と相互作用することなどを見出している。またこれらの蛋白質についてタグを付加した蛋白質発現株を構築し、蛋白質複合体を精製するための条件検討を進めた。 また出芽酵母の新規ヘリカーゼ様遺伝子の線虫ホモログをデータベース検索により同定し、RNAi法による遺伝子機能破壊によって機能の解析を進めている。平成11年度ではRNAiの実験系の立ち上げを行った。モデルとしてYDL084Wの線虫ホモログ(C26D10.2)の機能破壊を行ったところ、胚性致死となり、種を超えて真核細胞の増殖に必須な機能を果たしていることが示唆された。
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