研究課題/領域番号 |
11672220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 講師 (90169219)
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研究分担者 |
米田 幸雄 金沢大学, 薬学部, 教授 (50094454)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | イオノトロピックグルタメイトレセプター / 遺伝子転写調節 / activator protein-1 / c-Fos / CREB / ミトコンドリア / APG-2 / カイニン酸 |
研究概要 |
1.イオノトロピックアゴニストであるN-methyl-D-aspartic acid(NMDA)の腹腔内投与に伴い、転写制御因子activator protein-1(AP1)のDNA結合能が、脳内各部位の中でも特に海馬において選択的に増強された。実体顕微鏡下における凍結脳切片からのパンチアウト法を用いて解析したところ、NMDAレセプターの一過性の活性化は、海馬歯状回顆粒細胞において、c-Fosおよびc-Jun蛋白質の誘導に起因するAP1DNA結合上昇を誘発し、その結果転写制御される標的蛋白質が、持続性の高い機能変動を招来する可能性が示唆される。 2.ミトコンドリアは細胞機能維持に極めて重要は小器官であり、ミトコンドリア機能変化が細胞機能変化を惹起することは充分に推察できることである。したがって、グルタメイトシグナルがミトコンドリア機能変化を促すであろうという着想から、グルタメイトシグナルによるミトコンドリア内DNAの転写因子の変動について解析した。未処置マウス海馬および大脳皮質におけるミトコンドリア抽出液中のcAMP-responsive element binding protein(CREB)およびAP-1のDNA結合能を測定したところ、ほどんど検出されなかった。しかしながら、カイニン酸あるいはNMDA投与動物では、CREBおよびAP-1のDNA結合能が検出されることが判明した。 3.カイニン酸投与3日後の熱ショック蛋白質APG-2レベルを解析したところ、大脳皮質、海馬および線条体において未処置動物に比べて有意な減少が観察されたが、視床下部、中脳、橋・延髄および小脳では有意な変化が認められなかった。
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