研究課題
基盤研究(C)
活性酸素種としてスーパーオキシド(O2^-)とヒドロキシルラジカル(OH・)を、また活性窒素種としてパーオキシナイトライトについて、それらに対する消去化合物を天然物、あるいは化学合成化合物から探索した。それら化合物の消去能はスーパーオキシドとヒドロキシルラジカルに関してはDMPOを用いる電子スピン共鳴法によるスピントラッピング法、パーオキシナイトライトに関しては、チロシンのニトロ化を指標に高速液体クロマトグラフィーを用いて評価した。今回用いた抗酸化剤は、カルコン、5-メトキシトリプタミルカフェイン酸アミド、りんご抽出物(ポリフェノール混合物)、RK-160,RK-02B(甘草抽出物、フラボノイド)、トロロックス(合成水溶性ビタミンE)である。スーパーオキシドはヒポキサンチン-キサンチンオキシダーゼ系で、ヒドロキシルラジカルは、銅-エチレンジアミン/過酸化水素系で発生させた。パーオキシナイトライトはオゾンとアジ化ナトリウムから調整した。スーパーオキシドに対する消去能は5-メトキシトリプタミルカフェイン酸アミド、りんご抽出物、RK-02Bが、ヒドロキシルラジカルに対する消去能ははカルコン、5-メトキシトリプタミルカフェイン酸アミド、RK-02Bが、またパーオキシナイトライトに対する消去能は、カルコン、RK-02Bが高かった。この結果からりんご抽出物やカルコン類などのポリフェノール含有化合物、およびRK-02Bのようなフラボノイドカテコール誘導体に強い消去作用が認められた。またパーオキシナイトライトの消去能を検討している過程で、5-メトキシトリプタミンやリポ酸は、ニトロチロシンの生成は抑えたが、ジチロシンの生成を抑えず増加させるということを見いだした。パーオキシナイトライトの消去剤としてこのような性質を有する化合物は初めてである。ニトロ化のみを抑える化合物が存在することから、パーオキシナイトライトの反応活性種が、従来提案されていたヒドロキシルラジカル様化合物と二酸化窒素様ラジカル以外に別の活性種たとえばニトロニウムカチオンのような存在が示唆される。
すべて 2001 2000 1999
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