研究概要 |
本年度は,蛍光顕微鏡画像より個々の細菌像を抽出し,自動的にその形態学的特徴,蛍光強度を解析し,計数するプログラムの開発を行った.細菌の核酸を蛍光色素により染色し,蛍光顕微鏡下で観察した.顕微鏡像のサンプリングにあたっては,冷却CCDカメラを用い,コンピュータのディスクにデジタル画像として保存した.イメージデータを内部メモリーに移し,スムージング,二次ディファレンシャルフィルタリング,エッジディテクションの一連の処理を行うことで,個々の細菌を自動的に識別することを可能とした.本プログラムを用いることにより,細菌の計数と同時に個々の細菌の形態の特徴(長径,短径,面積)や平均蛍光強度を同時に知ることが出来る.システムは高価な機器を必要とせず,操作は窮めて簡単であり,また結果を得るまでに要した時間約10秒であった.本システムは,より一般に日常な迅速な細菌検出を可能とするものである. 本システムを用いて,大阪府下を流れる神崎川より採取したバイオフィルム試料をDAPI染色し,UV励起光下で観察し,本システムを用い細菌の計数を行ったところ,目視により認識された細菌と高い相関が得られた.
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