微細藻類を利用して環境中に拡散した有害化学物質、特に重金属と有機塩素化合物の効率的処理システムの開発に向けて、以下のような基礎的検討を行った。 1.重金属吸着に関する基礎的研究 高いカドミウム除去能を持つ微細藻類株を材料として、重金属が細胞表面へ吸着する現象について、カドミウムをモデル有害重金属として増殖誘導期から定常期に至る細胞齢、光照射条件、攪拌条件、pH、培養温度および培地成分の影響を検討し、高い吸着能が得られるための条件の最適化を行った。さらに、海水や硬水中に高濃度で含まれるNa_+、Ca^<2+>、Mg^<2+>などの非重金属陽イオンのカドミウム吸着に対する影響を調べ、実際に屋外での除去システム運用を行う際に問題となる点について検討を行った。 2.有機塩素化合物分解に関する基礎的研究 種々の緑藻、ラン藻を用いて、環境中に放出されて問題となっている有機塩素化合物の除去能によりスクリーニングを行った。今後、さらに除去能の高い株の探索を行う。
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