研究課題/領域番号 |
11672230
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研究機関 | 共立薬科大学 |
研究代表者 |
本間 義夫 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (30102726)
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研究分担者 |
村上 勲 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (50286407)
森田 裕子 (村瀬 裕子) 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (80245448)
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キーワード | ラドン / 平衡係数 / SOD(superoxide dismutase) / 被曝線量 |
研究概要 |
ラドン(^<222>Rn)による被曝は主として、娘核種のうちα放射体である^<218>Po(T_<1/2>=3.05m)、^<214>Po(T_<1/2>=164μs)である。これらによる被曝線量を、娘核種の測定値に基づいて求めることは、その半減期が短いため困難であり、通常はラドン濃度と平衡係数Fを用いて推定されている。しかし、平衡係数Fは住居の換気の程度、居住空間の容積およびその壁の材質などの要素により変動するため、推定された娘核種の濃度には比較的大きな誤差を伴っていると思われる。その上、実際に肺に付着している娘核種を測定していないため、それによる誤差も無視できない。 そこで、本研究では、ラドン濃度や平衡係数Fに寄らず、実際にラドン雰囲気で飼育した動物の肺に含まれる^<218>Po、^<214>Poを定量し、その被曝線量を推定することを目的として、 1)空気ルミネッセンス法を利用してマウス飼育器内に一定量のラドンを採取し、 2)一定期間飼育したマウスの肺を、高いγ線検出効率を持つwell型Geスペクトロメータによりγ放射体^<214>Pb、^<214>Biを測定し、 3)α放射体、^<214>Poの放射能が^<214>Biに等しいとみなせること、および別途測定した娘核種の放射能崩壊曲線の解析により、肺に含まれる^<218>Po、^<214>Poを定量し、それらによる被曝線量を求めた。 一方、放射線被曝による動物の、肺、脾臓、肝臓中のSOD(superoxide dismutase)の濃度の変化を、亜硝酸法を用いて測定し、放射線被曝後の3〜4時間後にSOD濃度の増大を認めた。しかし、SODの変化は定常値に比較して10%程度であり、今後は亜硝酸法に代わる高感度のSOD測定法を開発し、被曝後長時間にわたるSODの濃度変化を測定する必要があると思われる。
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